すっとこどっこい
今日は休日出勤、バイク馬鹿三人がバイクで出勤してきた。
そんな訳で、朝早くから会社の中庭で品評会がはじまった。
いずれもジャンルの違うバイクだから比べようもないけれど、一番はどれかと言ったとき全員の意見は一致した。
ハーレー・ダビットソン・「ポンコツスペシャル」
彼が90年の学生時代から所有し、改造を重ねたそのフォルムは、アーリーアメリカンという言葉がぴったり。
フロントは48年製のスプリンガー(本物)に換装、自分で10年以上前に塗った車体は艶のかけらも無く、リムやエキパイ蛇腹は赤錆だらけ。
記憶を辿ってもいつ掃除したか思い出せないというくらい乗りっぱなし。
しかし、なんとも言えない重厚感を醸し出している。
国産やヨーロッパ製のバイクだと、タダのポンコツなのだろうけれど、ハーレーは別格だった。むしろ新車より存在感を感じさせる。
エンジンを掛けてみよう。
キュン、キュン、キュン
止まりそうなセルモーターの音がして目を覚ます。
スドンドンドン・・・・・・
低周波のゆっくりとした音をたててアイドリングを始める。
2・3発あおってスロットルから手を離すと、止まりそうな位回転は落ちてくる。
スットコドッコイ スットコドッコイ スットコドッコイ クシュン
おや、くしゃみをして止まった。
限界までアイドルスピードを下げたこだわりセッティングのため、クソ重たいフライホイールと京浜CVキャブをもってしても、ビックボアシリンダーのコンプレッションには負けてしまうらしい。
学生時代は、ティロットソンのキャブやCDIをポイントに換えてスローアイドルにこだわり、変速機も乾式ハンドチェンジにしていたらしいけれど、さすがに乗りやすさは捨てられないことに気づいたようだ。
さて二番目はどれかというと、
川崎重工業ゼファー750
かつてのFXに比べれば鋼鉄の塊感は薄れたけれど、カワサキイズムを残す名車だ。
空冷パラレル4発は、角を取った丸いシリンダーフィンやカムカバー等これまた美しい。
私は、20年以上前にこのエンジンのベースとなったZ650LTDに乗っていたことがあるから知っている。このエンジンは、世界一軽やかに回るパラレル4であることを。
このバイクも10年選手だけれど、ハーレーのオーナーとは正反対で掃除マニアオーナーの下、車体のどこにもチリひとつなく、ショールームから引っ張り出してきたようだ。
で、最後は私の749R
値段や性能じゃ負けないけれど、こいつらのこだわりかたには適わない。
それに、やっぱりバイクは空冷が格好いいな。
今度はGSで勝負してやる(笑)。