スパルタン 6
2週間ぶりにRSのエンジン始動。
キーを捻り電源ON。
インジケーターが点灯し、ジジジジーと音がします。
この音は、ブレーキの電気式倍力装置の心臓部であるアキュームレータと呼ばれる蓄圧タンクを加圧する音です。
1週間位乗らない程度ならば一度高まった圧が抜ける事はありませんが、10日とか2週間位乗らないと、さすがに製造から14年と9万キロの距離を走っていますから、どこかからかお漏らししてしまいます。
このアキュームレータが抜けた状態だとブレーキペダルは容易にストッパーに当たるほど入り込んでしまいますから、走行前に十分圧が高まったことを確認しておかなければなりません。
この電気式倍力装置は、ターボ等のモデルにも採用されていたようですが、今では使われなくなったことを考えると想定したほどの効果は無かったんでしょう。
10キロ少々離れたホームセンターまで買い物の足代わりとして使い、先月新潟で給油して以来タンクを満タンにしてあげました。
新潟からの高速走行は、3千回転をキープしたチョイ速走りでしたので大した燃費を期待していなかったのですが、ほとんどエアコンを効かせながら走ったにもかかわらず、11,3キロ/Lとなかなかに優秀なデータを残すことができました。
ここで、以前書き込んだ空冷の燃費が水冷よりリッターあたり1キロ位劣ると書いたことを訂正しなければなりません。
燃費あまり変わらない。
が正解です。
但し、996の車体重量は羽根なしRSより100キロ以上重く、更に快適であることを考慮すれば、やはり水冷の優秀さが光ります。
満タンになったRSで印旛の荒れたカントリーロードを流してみると、そのハードなサスは殆ど仕事をせず、加えてハンモックが壊れているシートが衝撃を吸収することはありません。
数あるレーシングポルシェの中でも、私の「お好き度」1・2に上げられるのが「カレラ 6」ですが、私のポンコツポルシェ993RSは、
「スパルタン 6」
なのです。
ホームセンターからの帰り道は遠回りして高速道路1区間だけ走ります。
その目的は、下道で使うことのない(使えない)バリオラムを全開にして機能維持をはかるためです。
ランプウェイを加速していくと、ただでさえエンジン音の大きなRSが5千回転少々を越えたあたりから突然に一段と音量を上げ吼えます。
その音は純正マフラーのよく消音された爆音?となってキャビンに溢れるのですが、まるで動物園の猛獣が吼えているようで頭から食われてしまうのではと錯覚するほどです。
水冷より4百回転低い6千8百のリミットまで引っ張りましたから溜まったススも少しは飛んだことでしょう。
出発前に普段は行わない停止状態の暖気を兼ね日常点検を行います。アイドリングでも存在感十分な乾いたサウンドを響かせます。
小さいことはスパルタンな車の必須条件だと考えますが、993はその条件を満たす小ささです。スーパーのウィンドーに写るヒップ。