春一番、弾ける749R
2週間位前にディーラーに出したドカティー749Rの整備が終わり引き取りに行ってきました。
今回の整備は、スリッパークラッチの重要部品であるスパイダースプリング破損による交換と、3年を経過間もなく4年になるタイミングベルト交換がメインです。
スリッパーの構造は、四輪車の機械式LSDの逆バージョンで、バックトルクが掛かったときだけ圧着力を弱めて滑らせるものですが、どれだけ圧着力を抜くかはヒトデのような形をしたスパイダースプリングが鍵を握っています。そのスプリングが破損したので、シフトダウンしたときクラッチは滑りっぱなしで、いつまでたってもバックトルクが掛からないという恐ろしい状況になっていました。
今回修理の結果、クラッチドラムの清掃と心臓部である斜めに噛み合う部分のグリスアップも行なったおかげか、発進時に気になっていたジャダーがかなり改善された事はとても喜ばしいことです。
もう一点重要な整備もお願いしておきました。
それはカムを駆動するタイミングベルトですが、二輪・四輪問わずイタリア車の例に漏れず極めて短いインターバルで交換しなくてはならないパーツです。
交換したベルトを見るとひび割れや山の欠落も確認されませんでしたが、切れるときは何の前触れも無くブチッといきますから安心してブン回すために交換しました。
ちなみにメーカー推奨は2年で交換と言っていますから3年半まで交換を引っ張ったので惜しいという気はありません。
その他、オイルとフィルター交換(持込み)。エアクリの清掃、ETCの取り付けをお願いして、総額で91,000円でした。
このうちETC取付けとオイル代を除くパーツ代(スプリング・ベルト2本)は28,000円でした。フェラーリだったら軽く50万の請求書に比べれば二輪は安く上がります。
ディーラーからの帰り道で、まずはETCの恩恵に与りましたが、今までグローブを外したりポケットを探ったりという面倒が無くなったのは何より嬉しく、それは四輪車で感じたもの以上です。
高速では、いつものとおりLツインサウンドをバルカン砲に見立てて気持ちよくブン回してきましたが、5千キロ振りに清掃したエアクリの効果か、それとも久し振りに乗った気のせいか、以前より身体に感じるパルスは強まっており、整備代を払ったんだからと勝手に空気の抜けが良くなったせいと決めています。
去年の冬もそうでしたが、50歳を過ぎるとこのボローニャ生まれのマシンガンは乗り出すまでに相当な決意が必要で、寒さも手伝ってガレージから出ようとはしません。
しかし一度乗ってしまうと、禁煙から挫折した瞬間のような何とも言えない快感を感じさせてくれます。
ようやく春一番も吹き荒れてくれました。もうあと少しで私のバイク三昧解禁です。
真っ二つに割れたスパイダー・スプリング
社外品の方が割れない話も聞きます。
せめて5年・5万キロ位は保障してほしいものです。
タンク上面にベロクロで止めただけにはちょっとした訳があります。
二輪用ETCはフタがあって防水性に配慮してあります。