氷雨
♪冷やしてください、このエンジン。
今夜は帰れない、帰りたくない。
飲めばやけにくどくなる、そんな私許してください。♪
小雨の高速、オイルクーラーを濡らす雨水は気化熱を奪って熱くなったオイルを効率よく冷やします。
空いた高速は空冷エンジンを二千五百回転前後を維持しながら巡航します。
いつものようにペダルを踏むでも離すでもなく足の裏にほんの僅かの圧力をかけるだけです。
環境の事なんか少しも考えていません。ただ自分の財布に優しく走っているだけです。
節約したガソリンはアルコールに代えて自分の身体に流し込みます。
最近はRSが本来生まれた目的を外れてクルージングしてみても、つまらないと感じなくなってきました。
できれば、もっとハンドル回しが軽くなれば言う事無しなのですが、これは三万キロも使い込み擦り減らしたタイヤが大きく影響しているようです。
そんなことはどうでもいい事ですが、気温の低下に反比例して調子を上げる空冷に一人で悦に入っています。
季節の変化を空気密度で感じる空冷は、それだけで興味の尽きない乗り物です。